私たちが付き合ったのは

高校2年生のバレンタイン。

頑張ってチョコと一緒に気持ちを伝えた。

壮ちゃんはキョトンとし、しばらくして



「付き合う?」



私は目に涙をためてうなずいた。

壮ちゃんは実際、すごくモテていた。

同級生はもちろん、先輩・後輩、地元の中学生からも。


そんな壮ちゃんだから

付き合うのは無理かなって思ってた。

ただ気持ちを知ってほしくって

伝えてみようって思ったから

すごく嬉しかった。


私の中の君は

『渋谷くん』

から

『壮ちゃん』

に変わった。

誰も壮ちゃんなんて呼ぶ人はいない。

私だけ特別。

自分が彼女だって実感した。