「おじゃまします」



初めて家へあがったとき家族の人はいなかった。



「なんか食う?」



そういって壮ちゃんはキッチンへいった。

手伝おうか、と思ったけどやめておいた。



「なにつくってくれるの?」

「ん…ヤキソバ」



そういって麺の袋を見せる。

そういえばお父さんもよく焼きそば作るなぁ、

男の人って焼きそば好きなのかな?


なんて思いながらうなずく。

壮ちゃんを待っている間に眠くなった。



「できたぞ」



声の直後おでこがテーブルにくっつく。

壮ちゃんに頭をこづかれた反動らしい。



「ほんとに焼きそばだ」

「焼きそばくらい作れるわなめるな」