「今度、家来る?」
突然の誘いに驚いた。
壮ちゃんは人を絶対に家に招かないから。
他人に侵入されるのが嫌い、なんて意味の分からないことを前言っていた。
「いいの?」
「俺がいいっていってるからいーの」
緊張した。
服はどうしよう?
髪型はどうしよう?
もう何回もデートしているのにそんなことに迷った。
どうせなら壮ちゃんの親に可愛い子って思われたい。
白いワンピースに決めた。
当日は電車に1人でのって
壮ちゃんの家の最寄駅で降りる。
改札で待っていた壮ちゃんを見つけ、駆け寄る。
「お待たせ」
「行くぞ」
壮ちゃんの自転車の後ろに座った。
さすが男の子だなぁ、と思う。
坂を余裕で登っていく。
私は壮ちゃんの背中に甘えさせてもらった。