文化祭
憧れていたのは2人でまわること。
「ねぇ、文化祭さ、」
「あ、俺たぶん唯斗たちとまわる」
かぶせて言われた。
当然一緒にまわってくれると思ってたから
むかついた。
私が喋るのをやめると壮ちゃんも黙る。
眉間にしわをよせて不機嫌そう。
怒らせちゃった。
「帰り送ってくんなくていい」
「あっそ」
学校を出ていつもは同じ方向を歩くのに
この日は正反対だった。
3メートルくらい進んでから振り返った。
もう壮ちゃんはいなかった。
悲しかった。
すぐに自分がバカだったと気付いて自己嫌悪に陥る。
…というより2人でいるときから自分が悪いのはわかっていた。
「壮ちゃんならわかってくれると思ったのに…」
そんな甘い考えを持つ自分が嫌い。