「三谷さん、その袋なんですかっ!?」

「やだ、響子!? びっくりした!!」

 クリスマスイブの朝、通勤のバスを降りたところで響子に捕まった。

 そういう響子こそ、今日はやけに大きな紙袋を抱えている。

「響子こそ、その袋の中身はなあに?」

「白々しい、中味が何か知ってるくせに!」

 クリスマスにプレゼントを渡したい人がいるから買い物につきあって欲しいと、再び響子に誘われたのは先週末のこと。

 意中の彼から趣味はウインタースポーツだと聞き出した響子は、クリスマスにスノーボード用のウェアをプレゼントすると決めていた。

 二人して彼に似合うものを探し求め、街中のスポーツショップを散々歩き回った。