「おぃ。」

!!

気づくとあいつに手を掴まれていた。

「なにすんのよ!」

「それ、よく見ろよ裏。」

「え?」

手紙の裏を見る。

『月野蓮奈ちゃんへ佐伯亜墨より。』

裏にはしっかりこう書かれていた。

え?

「……。」

やってしまった。

「馬鹿か?それともただの無自覚か?」

呆れた声が上から聞こえてくる。

「〜っ!」

顔がみるみる赤くなっていく。

好きな人の前でこういうのは勘違いされ

るような気がしてあまり見られたくなか

った。

何よりも恥ずかしいから。

「ま、蓮奈は俺のだから他の奴にやんないけどな。」

ドキッ。

「?!!」

ドキドキが止まらなくて、顔が熱い。

「恋愛教えてもらわないといけないからな。」

私の目を見て言った。

「っ。教えるって約束してないし!勝手に決めんな!」

私は逃げるように教室に戻った。