「主な登場人物は、シカラ、お姫様、双子の王子となっています。誰かやってくれる人ー?」

脚本した女の子が言う。

「「………。」」

あ。この子泣きそうだな……。

「あ、はい俺!シカラ役やるよ」

真っ先に手をあげたのは、輝だった。

「シカラは女の子だよー?」

皆は声を上げて笑った。

「!! うるせぇー。」

輝は顔を赤くして言った。

「……。」

「ぁ、あたし、何か役やるよ?」

「衣ちゃん!え、じゃあ、お姫様とかどう?」

「いーよ。」

「じゃあ俺、王子役するし。」

「は?俺がするし。」

2人の男の子が揉めていた。

「あ、ごめんね。実は王子役はもう1人は決まってるんだ……。」