私が高峯高校に入学したのには訳がある。


元々私はもっとレベルの高い高校を
受験するはずだった。


そのために勉強だって頑張ったし。


けど、冬休み前の三者面談で
全ての希望が崩れさった。




「神田......もう少し目標を下げてみないか?」




その時の担任の声は
今でも耳から離れない。


同情の目。


失意に満ちた表情。


淡々とした口調に弱々しい声音。


思いだそうとすればいくらでも思い出せる。


先生の手元には一枚の紙。


私の志望校にはD評価がついていた。


つまり、危険なんだ。


落ちる確率の方が高い。