「笑うなバーカ」

「うっさい。大和の方がバカだろ」

「ありえねェ。お前の方がバカだ!」




大和は大きな瞳を怪訝に光らせながら
またも買い言葉を言い放つ。


(相変わらずガキだな)


見た目も性格もまだまだガキ。


人より長けているのは口の悪さくらい。


こいつは幼なじみと言うより
私にとって弟的な存在だった。


実際に弟がいないから分からないけれど。




「ったく、中学で離れると思ってたのに同じ高校入りやがって」

「なにその言い方。私が大和に付きまとってるみたいじゃないか」

「そーだろうがよ」

「違うだろーがよ」




私は思いっきり大和の背中を叩く。


別にムカついたからじゃない。


確かに少しはムカついたけど。