ふと目の前を小学生が横切る。


ボロボロになったランドセルを
友達と一緒に楽しそうに弾ませていた。


いつもならウザいと思うのに
なぜか今日はそう感じなかった。




「うえ気持ち悪ィ、ブサイク女がほくそ笑んでやがる」




ふと後ろから不快の単語が
混じった言葉が聞こえてきた。


とっさに振り返ると、
そこには大和の姿がある。


大和は昔から身長が小さかった。


学年平均身長になるのだって
大和にしてみたら夢のまた夢。


だから、一瞬見たときに小学生かと思ってしまった。




「ミジンコみたいな図体してるから小学生かと思った」

「んだとクソアマ」

「あれ、見ない間にまた縮んだ?もしかして150センチ切った?」

「まだ157だっつーの!」




子供みたいに買い言葉を言ってくるから無意識に笑ってしまう。