「二階堂先輩が……?」
「そうだ。毎日女を取っ替え引っ替え。派手な女は飽きてきたから暇潰しに地味で目立たないお前に目をつけたってわけだ」
「な、なるほど」
それなら私に話し掛けてきたことにも納得がいく。
「だからその二階堂って奴には気をつけろよ? なにがなんでもその邪魔な前髪をあげるな」
「へ? 前髪? なんで?」
「なんでもだよ! 約束だからな!」
謎の約束を取り付けられ、私たちは駅で別れた。
にしても話し掛けられて浮かれてた分、からかわれてたんだと思うと結構なダメージだな。
今日は先輩たちと会わないように心がけよう……