今のこの世は便利すぎて、みんな大切なことを忘れてしまっている気がする。

ふと、少女は思った。

あーあ…。
私は絶対こんなくだらない愛の形なんか求めたくない、と。









少女の名前は大原由紀子。

休み時間は大抵、友達とは過ごさず、独りで読書をするのが普通だ。

だが今日は珍しく、窓側まで行き窓から空を見つめている。

時々、思い詰めた事を考える。
そんな、このクラスの少女だ。