俺はばかだった。

熱い紅茶も、髪へのキスも、蒼井の精一杯のわがままだった。


俺はそれに甘んじて、受け入れてただけだった………!


先生と生徒の終わりなんて見えているから。


ばかな方向へ走らないように、蒼井は俺を先生と呼んだ。


『…先生もそんな人に出会えるといいね。』

『…そうだな。』


あいつは俺のために、そんな小さなわがままさえ捨てたんだ。


俺はなにもしてやってないのに。


保健室に来るのも紅茶をねだるのも髪にキスするのも全部、蒼井からだった。


ただわがままな生徒が先生を手こずらせてるだけ。


そんなシナリオを書き続けてるかのように。