無意識に自滑り出た問いに自分でも苦笑して、俺は首を振った。


一回りも年の違う上司になんてこと聞いてんだ。


「やっぱなんでもな「知ってるわよ。」」


自分に呆れてなんでもないです、と言いかけた言葉は何気ない口調によって遮られた。


「思慕。…思い慕ってます。
あなたのことが好きです。」


恰幅のいい年増の水戸先生が言うにはすこし不釣り合いだったが、その優しさはストンと胸に落ちた。