「…体調が悪くなったらまた来い。」
私の最後の悪あがきにはなにも答えず、先生もいつもと違う言葉を私に送った。
いつも来るなって言うのに。
私は無性に泣きたくなって、思いっきり眉をひそめて我慢した。
そんな顔を見られないように、私はすぐに車から滑り出た。
「さようなら、先生。」
「…辛かったら病院行けよ。」
そう言った先生は、私が歩き出すまで帰ることはなくて。
コンビニから離れて少し振り向くと、帰っていく先生の濃い紫の車が去って行くのが見えた。
私の大好きな色で、やっぱりすごく、泣きたくなった。
「さようなら。」
私はこの日から、保健室に行くことをやめた。