からになって間抜けな音を出したパックを取り上げると、俺は顎でしゃくって寝るように促した。


「授業終わったら一度起こすから、おとなしく寝てろよ。」


寝転がった蒼井にそう言うと、彼女は毛布を引き上げて頷いた。


…ちょっとした出来心だった。


熱を出して潤む瞳に大人気なく胸が脈打って、俺は手を伸ばしていた。


サラサラの髪をそっと撫でてやる。


たったそれだけ。それだけだ。