「ちょっと寒気する。」
つぶやくように言った蒼井に違和感を感じた俺は彼女に視線を落とした。
「…おい、大丈夫か、顔赤いぞ。」
「大丈夫、大丈夫。
熱測るから、出てて先生。」
真っ赤な顔でそういう蒼井に心配になったが、彼女の言う通りベッドから離れた。
…初めてだった。
あんなに表情を変える彼女を見るのは。
熱のせいなのかそれともーーー。
考えても無意味か、とそこまで考えた俺は自嘲気味に笑った。
そんなことわかるはずもなければ、分かったってどうすることもでにないのに。
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