ベッドの端に申し訳なさそうに座る蒼井に笑うと、俺はそっと蒼井の額に触れた。


ピクリと震える蒼井に気付かないフリをした俺は手を離して乱れた前髪を整えてやる。


「熱ありそうだな、これで体温はかれ。

…顔色悪いな。
寒気とかするか?」


俺は平然と顔を覗き込みながら…内心はかなり焦っていた。

額に触れたのも、前髪に触れたのも。

他のどんな生徒にもこんなことはしたことなかったのに、だ。


俺はこの日初めて蒼井に触れた。