その日の蒼井は、何処か様子が違っていた。


「橋村先生、こんにちは。」


笑顔にも元気が無いし、少し顔色も悪い。

俺はほんの少しの変化がわかってしまう自分にほとほと呆れた。


知らないうちに、蒼井の顔を見るのが楽しみになっていたんだ。


「今日はベッド行きだな。」


「えへ、ばれた?」


肩を竦める彼女にため息をつくと、俺はごそごそと引き出しを漁って体温計を発掘する。