「ジン君、頭いたーい」 そう言って保健室に入ってきた茶髪の女子生徒は、フラフラと俺に近寄ってきた。 甘えるような視線を感じつつ、俺は気づかないフリをして女子生徒の顔を覗き込む。 ふむ、顔色は万全だ。 「顔色は悪くないわねぇ。 本当に体調が悪いなら寝て行きなさい。」 俺の感想を代弁したのは同じ保険医の水戸先生、ベテラン52歳である。