星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】



目が覚めた時、
私は真っ暗な場所に居た。

いつもと違う、お布団の肌触り。

視界が暗闇に慣れ始めた頃、
キョロキョロと視線を向けるものの、
見知らぬ場所に居た。




此処何処?




私……確か、
お姉ちゃんのお墓に居たはずなのに……。

そこで誰かに背後から体を拘束された思い返す記憶に、
体中が震えだす。


だけど……だけど……、
その声に記憶があったはず……。



ベッドサイドのキャビネットには、
飲みかけ飲み物が入ったグラス。


そして錠剤が入っていたと思われる、
薬の飲み後。




ゆっくりと体を起こして、
自分の荷物を探す。




同じようにキャビネットの近くに置いてあった見慣れた鞄から、
財布や携帯電話などが全て入っていることに安心して、
携帯を見つめる。


両親から何度も不在着信が入ってるけど、
その着信は無視して、電話帳から親友の番号を呼び出す。


唯香に連絡してみる?


だけど……まだ時間は4時前。
流石に、寝てるかもしれない。


かといって、このまま
この場所で留まりすぎるのも気になる。



とりあえずこの場所が何処なのか、
何で私が此処に居るのか知りたい。



そう思いながら、
壁際の部屋の電気のスイッチを入れる。



明るくなった部屋は、
シンプルな家具が並んだ見知らぬ部屋。


キャビネットには、一枚のメモ帳。