あっという間に3年間は過ぎ
シマは野球の強い私立へ、ユリとわたしは県内の別の高校へそれぞれ進学を決めた。
今度こそ4人とも離ればなれで
わたしの中でタイムカプセルの記憶も徐々に薄れていってしまった。
高校生ともなると、地味だったわたしも
多少は垢抜け、2年生の夏に生まれて初めての彼氏ができた。
デートや友人との交際費、買い与えてもらった携帯の使用料等、出費が増えてきたため、近所のファミレスでアルバイトを始めた。
いつものように、頼まれた料理を運ぶ。
学生カップルのテーブルだった。
失礼します、と告げ軽く頭を下げると
「あれ…もしかして…」
声の方を見つめる。