「ダメだよ公園は。工事あったら、埋めた場所分からなくなる」


あ…それを最後にシマは何も言わなくなってしまって、わたしもユリも気まずさに俯くだけだった。


しばしの沈黙を破ったのはケントだ。


「…爺ちゃんちの庭だったら埋めても良いかもしれない」


「カンちゃんち行こう!走るぞ!」


シマが再び走り出して、わたし達3人は
苦笑しながらその背中を負った。


カンちゃんはケントのお爺さんで
彼が両親達と暮らす家から、徒歩20分ほどの距離に1人で住んでいた。


小学生の私から見たら、カンちゃんの家の外観はサザエさん家のようで
引き戸の扉、縁側と庭、手入れの行き届いた盆栽が素敵な日本家屋だった。