「ただいま~」

…誰もいないか。

くつをぬいだ、そのとき

翔樹が帰ってきた。

「あ、ねーちゃん…」

「翔樹!!お帰り♪」

なんかうれしい。

と思ったら

「この人、お姉さん?」

ん?誰…?

「あ…そう…だけど」

なぜか気まずそうに目をそらす翔樹。

「だ…れ?」

あたしの口から小さな声がもれた。

「はじめまして!翔樹のお姉さん!
あたし、翔樹の彼女で藤井杏っていいます!」

かの…じょ?

そんなの聞いてないよ

それよりなんであたしはこんなにショックを受けているんだろう。

「翔樹…ほんと…なの?」

「そーだよ、なんか悪い?」

なんでそんなに冷たく言うの…?

もう、翔樹なんて知らない。

「杏…ちゃんだっけ?翔樹をよろしくね」

あたしは震える口で精一杯笑って言った。

そろそろ限界だ。

あたしはダッシュで2階にあがり、自分の部屋に入った。