じわじわと寄ってくる夏の暑さの中で、いつも通りの学校。
涼しさも派手さも何も無い学校で皆がつまんねーとか、言っていたけど私はこの学校が好きだった。
同じクラスのかっこいい系男子の佐々木 秋君と居れたからだ。
秋君は小学からの付き合いだ。私は、いつからか秋君に恋愛感情を抱くようになっていた。
だけど、秋君には好きな人がいるらしい。どんな人なんだろう。きっと、私より可愛くて優しくて秋君の事を大切にしてくれるんだろうな。なんて、勝手な想像を繰り広げていた。ここはどこからどう見ても偏狭の地である。大学はここの村にはない。だから、大学に行く子は必ずこの村から出て行く。私は、大学に行こうと思っていたのだが…。ちらりと秋君を見る。クラスメートと楽しく話している姿を見て私は思った。私もああやって話せたらな…。私と秋君は高校に入ってから全く話さなくなった。
私が秋を秋君と呼ぶようになってから元からあった隙間を大きくしたようだ。思春期だから?
そんなの良いから私と話してよ…。秋君。