(こんな迷惑な幼馴染み、
郁ちゃんが好きになるわけないよね…)



私は嫌なコだ。

郁ちゃんの優しさに甘えて、
私は郁ちゃんを困らせてる。




「郁ちゃん…離して……」



私はぐっと郁ちゃんの体を引き離した。



「…私の方こそ…避けるような真似して
本当にごめんね…。
一緒に帰れなかったこと、
子供みたいにちょっと拗ねちゃった」


そう言って、笑顔を作る。



「心配かけてごめんね。
ホント…こんなワガママな幼馴染みで
ごめんね」

「ひより……」



涙が出そう…。

郁ちゃんの前では
笑顔でいるって決めたのに。



「…郁ちゃん、お大事にね…」