ゆっくりと気付かれないように
郁ちゃんに歩み寄る。


郁ちゃんはよほど疲れているのか、
ぐっすり眠っていた。



よく見ると、目の下にうっすら
クマができて、
顔もなんだかやつれている。



(こんなになるまで、私のこと
探してくれてたのかな…?)


そう思うと、涙がじわりと出てきた。



「…ごめんね…」



私はそっと郁ちゃんの額に手を乗せた。

すると、郁ちゃんが目を覚ました。



「……ひより……?」



(! 郁ちゃん、目が覚めて…!?)



私は思わず逃げ出そうとした。