「ああ!?殴って欲しいかよ!?そうだよな!よっしゃ、殴ってやる!!」
それだけ言うと、あたしは野川の顔面を思いっきり殴った。
すると授業の鈴がなり、あたしは席に戻
り、華は自分のクラスへと戻って行った
。
………野川はその場で踞っていた。
*
あれから1日はあっという間に終わり、今は寮に帰ろうとしているところだ。
だが、体育館に1人。
「おい!野川!!もう帰れよ!オーバーワークだぞ!」
体育館には、居残り練習をしている野川がいた。
「お願いっ!もうちょっとだけ!!」
「なに言ってんだ!それで身体壊したら元の子もないだろ!?ほら、帰るぞっ!」
「お願い!俺、1年でレギュラー入れて
!皆の足引っ張ったらダメだからっ!俺
、頑張らないといけないからっ!」
と涙目になりながら反論する。
そりゃあ、足は引っ張ったらダメだ。
だけど。
「だからって練習のしすぎだ!!朝も早
くからやってるだろ!!お前はこれから
どんどん伸びる!まだ1年だろ!?」
「でも!それでも、全然足りてないからっ……」
そう言った途端、ついに野川は泣き出してしまった。