あれから随分経ち、
今、1番クラスが近い華と話していた。
華はE組だ。なので、隣にきたらすぐな
ので、野川がいない日はだいたい華と話
している。
「………めぐは、好きな人いるの?野川くんのこと好きなの?」
「、っは!?」
そういえば、こういうことを前にも聞かれたことがあった。しかも、本人に。
「っ、華は、どうなんだよ……」
誤魔化す為に華に聞く。
すると予想以上に顔を赤く染めて。
「えっと……小学生の時から好きな人が
いて……でも、その人は小6から転校し
てきた子に惚れてて、」
「………おぉ。」
「でも、その子にも地元?に好きな人い
て……しかもその子私の親友で……」
「………おぉ。」
そう言うと、華は泣きそうな顔で言い続ける。
「………それから、2年くらい経ったら
その子また戻ることが決まったんだ。そ
れで、私、ちょっとでも嬉しい気持ちが
あった。、酷いよね。親友の引越しが決
まって嬉しいなんて。最低だよね……」
「………そんなの、当たり前だろ。好き
な奴を手に入れる、っていったら聞こえ
が悪いけど、その確率がちょっとでも高
まるんだ。嬉しいに決まってる、まあ、
あたしが言う資格ないけど。」
そう言うと、少しだけ華の表情が緩んだ。華がありがとう、と言い掛けた途端、
「はっ、やせーーー!」
と言う声が聞こえてその言葉は掻き消された。
………せっかく…ちょっとした友情の…
「っ、邪魔してくれたなーーっ!?」
と怒鳴ると、野川はへっ!?と間抜けな声をあげる。
「あのなぁ!さっきちょっとした感動の場面だったんだぞ!?それを邪魔するか!!」
「知らないよっ!?」