「お待たせ、桜井さん。」
お店の前で待つお客様に駆け寄る。
「おぅ、じゃあ行くか。今日は知り合いのBARに行こう。」
桜井さんは、昔からお店に来てくれる古いお客様。
芸能関係の仕事をしていて、お金はたくさん持っている。
「お酒飲めるかな?w私、もうだいぶ酔っ払ってるけど」
「酒を飲んで酔っ払わない奴なんかいねぇよ、それより…お前は喜ぶかもな。」
私が喜ぶ…?
意味が分からなかったけど、特に問い詰めることもせず、桜井さんの少し後ろを歩く。
夜の世界は、明るい。
夜のくせに、ものすごく明るい。
その異様な明るさが、私にはちょうどいいんだろうな。