「お待たせしました。かんなさんでーす!」






「こんばんは〜」


作り笑いをして、わたしは今日も違う人間を演じてる。


キャバ嬢。
一条かんなが誕生して5年。


わたしは5年間、ほぼ休まずにこのお店に出勤していた。







「ねぇ、かんなはどうしてこの仕事をしてるの?」


よくお客さまから聞かれる。


「ん〜何でだろうね?自分でもよく分からないんだけど、ここにいると寂しくないからかな。」


なんて、当たり障りのない答えを繰り返してる。







嘘、欲望、お金、嫉妬…
そんなものが溢れる世界に、わたしはいる。