しばらく走り続け、門が視界の先に見えたところでティアは足を緩めた。


門の近くに人がいる。


壁によりかかるように立つ人影はゲオルグのものだった。


その姿を目にしてティアの身が引き締まる。



ー強くなければいけない。



ジーニアスに手は出さないと約束はしたが、それが守られるとは限らない。


ジーニアスに危険が及んでしまう可能性は捨てきれない。



ー毅然とした態度でいなければ。



弱いところを見せるわけにはいかない。



ー泣くのはこれで最後。