しばらく応酬を続けたあと、
「なかなかやるな…だが、そろそろ終わりにしようか」
男の瞳が射ぬくような視線にかわる。
もはやティアを捕らえることなどどうでもよく、ただこの勝負に決着をつけることだけを目的としている、殺意すら感じるような目だ。
ー本気だ。
背中にゾクッと冷気が走る。
ー負ける。
ーかなわない。
わかってはいたが、ティアは視線を外さず、真っ直ぐ男を睨み付けた。
男は一瞬でティアに詰めより、一閃してティアの短剣を弾き飛ばした。
ーやられる。
ティアはぎゅっと瞳を閉じた。
そしてー
剣が降り下ろされた。