同時に大きな手がティアの体をつかもうと伸びてきた。
ティアはすんでのところでそれをかわし、横に飛びすさった。
フードがはずれ、青銀髪の髪が表れる。
ティアはすぐに体勢を整え、短剣を構える。
そして強い瞳で相手を睨み付けた。
相手はゆらりと立ち上がり、帽子の下でニヤリと笑った。
ティアは相手に見覚えがあった。
ごく最近市場で会った、チューリップハットのひげモジャの男だ。
「なかなか反応がいいじゃないか。幻の採取人さんよぉ」
ーなぜ知ってるの。
ティアは努めて冷静に相手を見据え、動揺を顔には出さなかった。