「雷、手伝ってやろうか?」


「翔にぃ!」




遠征バッグを広げて荷物を詰め込んでいた俺のところに翔にぃが来た。




「翔にぃダメ。雷に自分でやらせなきゃ」



「でも雷が一人で準備したら忘れ物するって…」



「翔にぃは俺達に甘すぎなの。翔にぃだって忙しいのに、これ以上忙しくして倒れたらどーすんのさ」




翔にぃと煌の会話を黙って聞いている俺。



煌の言ってることは間違ってない。



翔にぃは仕事が忙しいのに、俺達弟の世話までしてる。




自分のことは自分でやらないと。






「翔にぃ、大丈夫。俺自分でやるから」



「そうか?なんかあったら言えよ?」



「うん。ありがとー」





もう高2なんだし、自分でやんなきゃな。