「恋、何してんの?」 拓海が聞いてきた。 「メール打ってる」 「誰に?」 「兄貴に」 「何で?」 何回質問してくるんだよ。 「お前らが会いたいって言うから」 これで分かっただろ、兄貴が誰なのか。 …だけど。 「いや、俺らは別に双子の兄貴に会いたいとは思ってねぇぞ?」 ……。 どんだけ鈍いんだよ。 「それは兄貴を見てから言って。すぐ来るし」 「え?」 メンバーが首を傾げたのと同時に、楽屋のドアが勢いよく開いた。