「いつもと同じ風景、同じ人。
だけどなんか何かが違う。
仲良かった友達に声をかけたらビックリした顔をされて、違和感に気持ち悪さを感じた。
学校を飛び出して走りまくってたら戻ったけど。
あれは平行世界だったと思う。」


驚いた。
真顔でそんな事を言う人だと思ってなかった。

「どうしてそんな事聞くの?」


そりゃそうだ。


「最近そういう本を読んで、ふと思ったの。」


「そうなんだ。
面白かったら今度貸して。」


まさかの言葉に困惑しながらも、嬉しくて思い切り頷く。


「じゃあね。」


あたしの頷きを見て優しく微笑んで、歩いて行った。