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『リンカーングリーンの髪の毛が素敵だろう?』
父は嬉しそうにそう言った。
『…兄上もリンカーングリーンの髪の毛をお持ちかと』
彼が彼女を褒めるのが気に食わなくて、負けじとそう言う。
『あいつは男じゃないか』
あっさりと否定された。
『でもまあ、金髪よりかは美しい』
母親の髪を継がなかったルイを疎ましそうに見ながら、ルイすらも否定した。
そして腕の中の緑髪の女の子を抱きしめる。
苦しそうにもがくが、けして抵抗はしなかった。
『ああメイ、お前はいつまでも私の一一』
「………」
嫌な夢とともに目覚めた。
小さい時の悪夢、まだメイが彼のものだった時の話だった。
最近はあまり夢自体を見なかったため、久しぶりに見てこの内容は精神的に辛かった。