ルイからメイへの愛は、独占欲。
生まれて初めて自分から欲した存在をものにしたくてもがき、結果縛り付けている。
しかし、メイからルイへの愛は一一依存。
唯一のモノに執着し、彼の言うことはなんでも聞く。
嫌われたくないから。
失いたくないから。
だからこの理不尽な空間を正常ときたし、疑問を覚えることなく過ごしているのである。
「…会いたいなぁ…」
こんな自分を愛してくれる唯一の人に。
安穏とした日々は、決して永遠ではない。
この屋敷に舞い降りてきた紅い目をもつ姫によって、間違いなく崩されていく。
そんなことなんか知る由もないメイは、ただルイを欲していた。