「…はあ」


早くも疲労感を覚えた。


が、耳まで赤く染めてにゃあにゃあ騒ぐメイが面白いらしい。

呆れたように見ながら、口元は笑っていた。


「愛してるって、愛してるってぇぇ!」


ばふばふとソファを叩き出す。

『愛してる』に興奮するメイに、ルイは思った。




(――僕が愛してるって言ったら、どうなるんだろう)




――一目惚れだった。



ルイの父親が連れてきた小さなメイに、ルイは一目で魅せられた。

腕を引かれて、死んだように笑うメイ。


彼女が欲しいと、心から羨望した。


日本の滞在予定は少しだったルイが、伸ばしたほどだ。

彼女に会えるのはほんのちょっと

メイの境遇ゆえ、父親からあまり離れる事ができないのだ。



『いつか必ず父親からメイを奪って、自分のものにする。だから、自分と結婚してくれ

愛してるんだ』



生まれてはじめてのプロポーズ。

しかし、メイにカサンデュールの言語は通じなかった。