そんなリルのことについて、説明しないでいるわけには行かないでしょう。

彼女はカサンデュールの王位継承者です。
カサンデュールとは作者の創作したオリジナル国家となっていて、これまた壮大なお話となるので詳しいことは割愛します。

このお話はリルの復讐の話も混じっていました。
彼女は決して絵に描いたようなお姫様じゃない、復讐に染まった闇の中で生きる少女です。
聡明で何もかもを見抜いていて、ルイとメイを助けた張本人です。
彼女がいなければいつまでも彼らは平行線だったでしょう。
交わることができたのは、リルのおかげです。

しかし今回のことで果たして彼女自身は本当に救われたのでしょうか?

作者自身も実は首をかしげています。
たしかに、リルは両親を私利私欲のために殺した犯人に復讐をすることが出来ました。
今回のお話はそんな彼の子供の話。
復讐に染まったリル自身は、ルイもろともぶっ潰したかったのではないでしょうか。
しかしあろうことか手を差し出し、救ってしまうのです。
完璧に復讐を果たせないリルは、作者にとってどうしようもなく救えなくて愛しい登場人物です。

そんな彼女を誰よりも理解している人が2人います。
ひとりはティン、そしてもうひとりは瑠璃です。

ティンとリルの関係は裏話にて公開しています。
異常な依存で結ばれている彼らは恋人を超えた何かで愛し合っているようにみえます。

瑠璃はリルを甘やかして看過するだけではなく、きちんと間違ってると教えてあげる方の理解者です。

ご存知の方もいるかもしれません、瑠璃は【シンデレラの一族】という作品の主人公です。

幼少期、彼女らは瓜二つでした。
別々の環境で育った彼女らは真反対になりますが、どこかで繋がっていて愛し合っています。
興味の湧いたお方は、よろしければぜひシンデレラをご覧ください。
瑠璃の発した言葉ひとつひとつの意味がわかれば、また違った意味でお話が楽しめると思います。



あとがきまでもお付き合いくださり誠にありがとうございました。
ご意見ご感想を頂ければ、これに勝る幸せはございません。
またお好きな登場人物の名前を添えてくだされば、その子が答えてくれたりしますよ。

心からの感謝を込めて。


少名毘古那