「……」

さすがに嫌そうな顔をしたルイは、携帯を取り出して相手を確認した途端、目を丸くした。

「…リル様だ」

「リルちゃん!?」

目を輝かせたメイのために、スピーカーにしてから出る。


「もしもし、リル様どうかなさいましたか?」


『いえ、あなた方がどうなったか気になったんです』


「あ…ご心配おかけして申し訳ございません。リル様のおかげでメイと会うことができました、ありがとうございます」


『いきなり電話が切れたのでだいたい想像つきましたよ。あなたが乗り込んでくる直前まで、私メイちゃんと電話をしていましたの』


そういえば受話器を落としてしまったことを思い出す。


「あ、あの……さっきはごめんなさい、電話落としちゃって」

『あらメイちゃん!これスピーカーになってるんですね……いえいえ〜!いいんですよ、全然気にしてませんから』

メイの声に明らかにテンションが上がってるのに怪訝そうにしながら、ルイは突っ込んで聞いた。


「リル様、ご要件は何でしょうか?」


『ああ、そうですそうです。私も暇ではないのでね、なるべく早く済ませたいのが本心ですの。ルイさん、メイちゃん――あなたどこまで話しました?』


ふたりで顔を見合わせ、気まずく目をそらす。