「何がだめなんだ?誰に言われた?」
「野崎さんに、その……」
言っていいのか、言うのは嫌だなと思い、目線をしたに。
焦れったいルイは、もどかしくなりますます顔を近づける。
「メイ、たのむ……何がだめなんだ?」
「うぅ……それはその、」
「……」
この反応。
もしかしていじわるでもされて、野崎をかばっているのかとルイは推測する。
メイはやさしい子だから、野崎にとばっちりが行くのを恐れて……
そう思うと、野崎に怒りが行った。
すべての原因は彼女か、彼女のせいでメイは思い悩んだのか。
「……わかった、野崎だな」
ゆらりと殺意をまとってドアの向こうの野崎へと向かうルイに、メイは慌てた。
野崎はきっといじわるなんかではない。
きっと、メイの知らない理由があるはずだ。
それで野崎さんが怒られるのは、とても嫌だ一一
「メイ一一ご、ご主人さまが、好きになったんですっ」
勢いで吐いて、そのまますべて吐露する。