「あの、外だけじゃなく中も!えと、メイの相談自分の辛いことを糧にして乗ってくれて…メイすっごく救われて。リルちゃんもお話したらこうしたらいいよって教えてくれたし、メイは本当いいお友達持ったです!」
「……そうか、それは…………」
必死に言葉を探す。
メイを救ったのは自分ではなく、赤の他人の女の子だ。
要するに。
赤の他人が救えるような内容の悩みを彼にしなかった。
嫉妬で狂いそうになるが、彼はそれを表に出すのをやめた。
それよりも、先にするべきことがある。
「メイ、その悩みとやらを教えてくれ」
「え、ご主人様っ」
「……頼む、今回僕は心底反省したんだ」
頭を下げる。
野崎に教わったこと、心にいたかったこと。それらを思い出して、噛み締める。
「お前にもう少し普通を与えるべきだった。
メイだって、こういう普通の女の子として行きたかったはずだ。
……メイの感情を汲まず、監禁生活を押し付けた僕がわるかった。今回のことはすべて僕の責任だと自覚している」
「……」
突然の謝罪に目を丸くしたメイに、ルイはまた続ける。
「これからは、お前がしたいことをしたいと言える生活を提供しよう。2人で普通を取り戻そう、だから……」
ごくりと、唾を飲んで。
「……どうか、戻ってきてくれ、僕にはメイがいないとだめなんだ」
心の底からの願い。
生まれて初めて欲したものが、逃げていくなんて耐えられなかった。
生まれて初めて愛した彼女に捨てられることの恐ろしさを存分に味わった。
これからは、これからはと改善点ばかりが見つかった。
すべて治す、だからどうか。