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「社長、何をなさっていたのですか?」


昼間二時間も抜けていた社長に、野崎が問い詰めた。

コーヒーを飲みながら書類に目を通しているルイは、ちらりと野崎を一瞥し、また書類に目を戻した。



「ランチだ」


「嘘はよしてください。どうせメイさん絡みでしょう?」


ため息をこぼして、社長室を見据える。

誰もいない、と意味してるのだろう。


めんどくさそうに視線をさ迷わせ、書類から目を離して野崎に向けた。



「…ちょっと出掛けていたのだよ」


「出掛け?どちらにです」



「メイの家庭教師の自宅に」



「…え?じ、自宅?」

思わず野崎は聞き返した。


事務所等に話をつけてきた、ならばわかる。


だが、自宅に直接行くのは解せない。


「…なぜ、自宅に」


「ああ、あと僕の自宅にも行ったな。二ヶ所回ってきた」