◇◇◇
「つま……お、およめさん?」
きょとんとした顔はやけに子供らしい。
何も知らない無知な女。
聡明なエルナリーゼとは真反対のタイプの女なのに、姿形は同じ。
そのことにぞくぞくする自分がいた。
「…そうだ、お前を買った目的はそれだからな」
「あ…そ、そうなんですか」
納得してしまったらしい。
もじもじと恥ずかしそうにしながら、「およめさんかぁ……」と呟いた。
そのままベッドに沈めて、なし崩しに行為に移そうとする。
何も知らない腕の中の女は、押し倒されたことに不思議そうな顔をしていた。
まだ子供だった以前とは違う。
彼女はもう大人だ。
それも予想通りに育った、理想の女。
エルナリーゼとは違う従順な。
「く、くすぐったいですぅ」
白い滑らかな肌を撫ぜていると、遊んでると思ったらしい、彼女はくすくすと笑い始めた。
興醒めするはずなのに、その無知さが逆に滾らせた。
笑う唇を封じようと、顔を近づけた時だった。
「……あ、れ」
何かを思い出したように、目を見開く。
「どうかしたか?」
「………あ、あのっ……およめさんは、待って……」
もぞもぞと腕の中から出ようともがく。
衝撃の言葉が出たことに、ルコーラは思わず聞いた。