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「つま……お、およめさん?」


きょとんとした顔はやけに子供らしい。

何も知らない無知な女。

聡明なエルナリーゼとは真反対のタイプの女なのに、姿形は同じ。

そのことにぞくぞくする自分がいた。


「…そうだ、お前を買った目的はそれだからな」

「あ…そ、そうなんですか」

納得してしまったらしい。


もじもじと恥ずかしそうにしながら、「およめさんかぁ……」と呟いた。

そのままベッドに沈めて、なし崩しに行為に移そうとする。

何も知らない腕の中の女は、押し倒されたことに不思議そうな顔をしていた。

まだ子供だった以前とは違う。

彼女はもう大人だ。


それも予想通りに育った、理想の女。


エルナリーゼとは違う従順な。


「く、くすぐったいですぅ」

白い滑らかな肌を撫ぜていると、遊んでると思ったらしい、彼女はくすくすと笑い始めた。

興醒めするはずなのに、その無知さが逆に滾らせた。

笑う唇を封じようと、顔を近づけた時だった。


「……あ、れ」


何かを思い出したように、目を見開く。


「どうかしたか?」



「………あ、あのっ……およめさんは、待って……」



もぞもぞと腕の中から出ようともがく。


衝撃の言葉が出たことに、ルコーラは思わず聞いた。