「……」

それにしても、とメイをまじまじと見つめる。

大きくなればさぞエルナリーゼに似た女になるだろうと踏んではいたが、想像以上だった。

口を開かず、髪の毛も一つにしたらエルナリーゼだ。

自分の才覚が恐ろしい、とほくそ笑む。


(やるものか)

息子なぞに。

(彼女は私のものだ)

永遠に、死してもなお。


ルコーラの独占欲は異常だった。

それに、メイは思った以上の成功作だった。

これはもう手放したくないな、と、独占欲を強めていた。


(そのためには……)

ベッドの上にちょこんと座るメイに、手を伸ばす。

「エルナリーゼ」

「はい?」

「エルは私のものだからね」

「ふえ……?」

その瓜二つの顔を撫で、手に収める。


そのまま体を押し一一ベッドへと倒した


「あの、ルコーラさん……?」


「さま、だ」


いちいち教育し直さないとならないのはめんどくさいな、と思いながら。

その肢体を舐めるように見つめ、エルナリーゼに重ねる。


「エルナリーゼ、私の妻になりなさい」


この世で一番、汚い命令を与えた。