「ええと、メイは……エルナリーゼは、何をすれば良いです?」
「エルはただ、私のものでいればいい。要求をすべて飲んで、いうことを聞いて。それだけでいい」
「わかりました。あの、お兄ちゃんはどこにいるか知ってますですか?」
「ああ、お兄ちゃんは言うことを聞いてればいつかあわせよう」
「ありがとうございます」
メイには、退化機能がある。
暴力沙汰に巻き込まれると一時的に6歳のメイになる。
頭さえなでなければ、それは治ることは無い。
前回もルコーラはこの機能を用いてエルナリーゼに仕立てあげた。
個性をすべて否定すれば、メイはそれを飲み、エルナリーゼに近づいていく。
「それよりエル、その服のサイズはどうだ?」
「んん…ちょっとちっちゃいかもですが、大丈夫です」
「そうか」
エルナリーゼはいつも黒い服を着ていた。
シャリルの黒子のように動き回っていたため、黒い方が何かと都合が良かったためである。
だからメイの服は黒いワンピースになっていた。
エルナリーゼらしい、あまり飾りのないものにしてある。
白い服など、完全にルイの趣味だ。
イラついて脱がせる際に破いてしまった。