◇◇◇
ルコーラにとってメイがいるということは、衝撃だった。
確かに施設の前に置いて電話で返却したのに、まだ近くにいた。
多分返す直前に拉致したのだろう。
すべてはルイの仕業だったと知って、血は争えないと笑った。
リルを追ってきた日本で、ルイの行動の不自然さに気づいた。
国から連れてきた秘書にあとを付けさせれば、野崎とかいう女のマンションにメイがいるではないか。
驚いて、しかしほくそ笑んだ。
金で雇った男達にメイをできるかぎり“乱暴に拉致してくるよう”依頼した。
日本人は誠実で、思った通りに働いてくれた。
「……ええと…?」
ぱちくりと目を覚ましたメイを、まじまじと眺める。
成長したメイは、ますますエルナリーゼに似ていた。
もう少し淑女に教育すれば、さぞ立派エルナリーゼになるだろう。
ルイは甘やかしすぎなようだ、彼女は奔放に育ってしまっていた。
だから、やり直す。
「…初めまして、私はね、ルコーラ・ヒューアスというものだよ」
「初めましてです。えと、メイっていいます」
「いいや、君はメイじゃない」
「ふえ?」
「君は、今日からエルナリーゼだ」
一瞬、きょとんとした顔をして。
「一一わかりましたです。メイはエルナリーゼですねっ」
にっこりと、満面の笑みで頷いた。
ルコーラにとってメイがいるということは、衝撃だった。
確かに施設の前に置いて電話で返却したのに、まだ近くにいた。
多分返す直前に拉致したのだろう。
すべてはルイの仕業だったと知って、血は争えないと笑った。
リルを追ってきた日本で、ルイの行動の不自然さに気づいた。
国から連れてきた秘書にあとを付けさせれば、野崎とかいう女のマンションにメイがいるではないか。
驚いて、しかしほくそ笑んだ。
金で雇った男達にメイをできるかぎり“乱暴に拉致してくるよう”依頼した。
日本人は誠実で、思った通りに働いてくれた。
「……ええと…?」
ぱちくりと目を覚ましたメイを、まじまじと眺める。
成長したメイは、ますますエルナリーゼに似ていた。
もう少し淑女に教育すれば、さぞ立派エルナリーゼになるだろう。
ルイは甘やかしすぎなようだ、彼女は奔放に育ってしまっていた。
だから、やり直す。
「…初めまして、私はね、ルコーラ・ヒューアスというものだよ」
「初めましてです。えと、メイっていいます」
「いいや、君はメイじゃない」
「ふえ?」
「君は、今日からエルナリーゼだ」
一瞬、きょとんとした顔をして。
「一一わかりましたです。メイはエルナリーゼですねっ」
にっこりと、満面の笑みで頷いた。