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高遠は気づいていなかったが、普通に見て今日のルコーラの行動は可笑しかった。

まず、4人ほど男を連れていて、大きいバッグを使用人に命じて用意させた大きめの部屋に入れていた。

それから、なにやらアタッシュケースを持った男を連れてきて、使用人たちに部屋に近寄らないよう命じた。

こっそり高遠が確認すると、なにやらそのアタッシュケースの男はドアの鍵を変えていたようである。

それからアタッシュケースは屋敷から出ていき、部屋に入ったのは四人の男とルコーラのみとなった。

高遠がメイのワンピースに気づく前は、屋敷から出たり入ったりしていたとほかの使用人に聞いた。


明らかに何かが起こっている。


進藤にでも協力を頼もうかと思ったが、尋常じゃない事態に巻き込むわけにはいかない。


(どうしよう……メイさまはどこに……)

現在高遠は何もつかめてないため、あたふたするよりほかなかった。

せめてルイが帰ってくればワンピースのことを相談できるのに。

よりにもよって、最近は帰りが遅いのだ。


ため息をついたとき、変化があった。


頭を下げつつ、男達が部屋から出てきたのだ。

笑ってるようにも見える。

四人の男が出てきたから、残りはルコーラだけか。

……あの部屋で何を行ってたのだろう。

あの部屋はただの客室で、そうそう、たまに野崎さまがお泊まりになられて一一。


なぜ部屋を用意させた?


話し合いなら自室があるじゃないか。

それに客間もある。

なぜベッドのついてるお客様がお泊まりに使う部屋を指名した?


「……鍵、変えてたよね」


思い当たる推測があった。

あの大きなバッグ。

まさか……


ブンブンと首を降って、とにかくアタックをかけた。